短歌・俳句
終いの地と 決めしこの町 要町 善き人多く 歩くも楽し
冬枯れの 秩父花野に 春思う
陽だまりに 子らの歓声 かの地では 家なくパンなく さまよう母子
棒道は 紅葉敷きつめ 春を待つ
八十越せば 余生は天の 授けもの 痛し痒しは 生あるあかし
夢の間の 今こそ遊べ 秩父路に 華厳の滝は 永遠に流れる
リンゴむく 母のくちびる とがってる
母の剥く リンゴの味を もう一度
妹と 浴衣でなめた りんご飴
テーブルに リンゴのウサギ 誰を待つ
八十越せば 余生は天の 授けもの 痛し痒しは 生あるあかし
君たちの 生まれる前の 事だよと 五十に聞かせる 歳になりけり
山車跳ねて 子らの掛け声 秋祭り
楽あれと 願うこの世は 難儀に満ちる 辛苦が常と 悟れ楽あり
角皿に スルリ収まる 初サンマ
忌む人も あるらし妖し 彼岸花
一人咲く 群れ咲くもよし 曼珠沙華
曼珠沙華 愛でる右手に ソーダ水
我灰は 墓花いらぬ 風に散け